しかし、町のうちにひとりの貧しい知恵のある人がいて、その知恵をもって町を救った。ところがだれひとり、その貧しい人を記憶する者がなかった。
貧しくて賢いわらべは、老いて愚かで、もはや、いさめをいれることを知らない王にまさる。
ところが、給仕役の長はヨセフを思い出さず、忘れてしまった。
こうしてこの女が知恵をもって、すべての民の所に行ったので、彼らはビクリの子シバの首をはねてヨアブの所へ投げ出した。そこでヨアブはラッパを吹きならしたので、人々は散って町を去り、おのおの家に帰った。ヨアブはエルサレムにいる王のもとに帰った。
そもそも、知者も愚者も同様に長く覚えられるものではない。きたるべき日には皆忘れられてしまうのである。知者が愚者と同じように死ぬのは、どうしたことであろう。
知恵ある者は強い者の城にのぼって、 その頼みとするとりでをくずす。
またわたしは悪人の葬られるのを見た。彼らはいつも聖所に出入りし、それを行ったその町でほめられた。これもまた空である。
知恵が知者を強くするのは、十人のつかさが町におるのにまさる。